今市の現場 土台敷きに至るまで
昨日(日曜日)の夕方、日光市内で建築士会の集まりから帰る途中にお寄りしたOBのお客様から『日記が途絶えたので、病気になってしまったのかと心配していました。』とのこと。実は、病気をする暇がないくらいに忙しくしていただけなのです。ご心配をおかけし、本当に申し訳ありませんでした。今年は震災の影響もあって、緊急のご要望に出来るだけお応えしようと頑張りすぎてしまいました。
さて、今日は今までの穴埋め。今市で始まった新築住宅の、これまでのダイジェスト版です。
11月22日
地鎮祭を終え、本格的に基礎工事が始まりました。まずは掘削工事からです。
基礎の断面図に沿うように、丁寧に綺麗に土を削っていきます。
大まかに削る人、細かく削る人、平らにならす人、ダンプで土を運ぶ人。淀みなく作業は続きます。
やがて、発掘現場のように美しい断面形状が現れました。これが本当に美しいのです。
しかも、うかつに素人さんが中に入って歩こうものなら、すぐに油断して土手を崩してしまうこと請け合いです。
しかし、この人たちは決してそのようなことはしません。プロですよねえ。
11月24日
今度は大量の砂利を敷いたあとを、振動ローラーという機械(写真)やランマーという機械などで入念に転圧してきます。事前に行われた地盤調査の考察に基づき、砂利の厚さや転圧のための機械の往復回数なども決められており、忠実に作業を進めます。これによって、地盤保証制度に対応した地盤を作っていくのです。
11月26日
25日には写真のような防湿シートの施工及び外周の捨てコンクリートの打設が行われました。
同時に、外周部に土間コンクリート及び立上りコンクリートの打設を兼ねた型枠が組み立てられていきます。
黄色い水糸が貼られているのが見て取れますよね。このように正確に位置決めをしながら型枠を組み立ていきます。
また、同時に土間コンクリートの鉄筋も加工されながら、組み立てられていきます。
池田さん率いるチームのみんなが、分担しながらテキパキとこなしていく作業風景は、見ていてとても気持ちが良いですね。
これは、地鎮祭の時に神主さんからお預かりした『鎮め物』
建物の真ん中付近に埋めるのですが、その前に置いて記念の写真を撮りました。
次の瞬間は、心を込めて丁寧に・・・。というふうに格好よくご報告したいところなのですが、正直に言わせていただければ、大切なな預かりものを忘れることなく無事に納めることができたという安堵感でいっぱいなのでした(^^;)
外周部の組立も、整然として綺麗ですね。
ペコリ、とお辞儀?
11月29日
この日は、土間コンクリート打設の日であり、また、瑕疵担保責任保険の基礎配筋検査の日でもあります。それからまた、写真のように、基礎貫通日の設備工事を行う日でもあるという、現場密集日です。
検査員さんがお約束の時間に来てくれました。最初は丹念に各種の寸法などを聞き取りします。それから、現場の状況を概観し、また、細かなところを質問しながらチェック。最後には、必要な写真撮影を行いました。
指摘事項は一切なく、無事に合格しました。それで、予定通りの時間に生コン車に来てもらう連絡をし、コンクリートを打設することになりました。
設備の配管工事も完了しました。
コンクリート打設の風景。
ポンプ車のホースを持って打設する人、平らにならす人、バイブレーターをかける人など、分担作業で端から丁寧に打設していきます。
ミレーの 『 落ち穂ひろい 』?
11月30日
今度は、立上りコンクリートの組立作業です。
写真は、玄関ホール部分とユニットバスとなる基礎の部分に打ち込むための断熱材です。
12月2日
写真に見えるように、厚さが5センチもある断熱ボードを型枠と一緒に建てて、それからコンクリートを打ち込みますので、一体に完全密着状態となります。
一部、前日に降った雨が残っていましたので、スポンジに含んでは外側で絞って取り除きました。この日は、温度が全く上がらず、手がこごえました。
打設の風景。
コンクリートミキサー車からポンプ車へコンクリートを流し込んでいるところ。温度が低いこともあり、早く仕上げるためにスランプ15センチという固めのコンクリートとしました。作業性よりも、確実に仕上がることを第一優先にしたというわけです。強度も上がって一石二鳥でもあります。
打設したコンクリートは、ただ平らに均らせば良い訳ではありません。このように、コテでしっかり押さえることも、しっかりとした基礎を作るために必要なことなのです。
近所に仮住まいされ、毎日、お茶を運んでくださる建て主さん。いつも真剣に現場を見てくれています。どうか、落ちないでくださいね。
12月6日
基礎立ち上がり打設から四日後、型枠を外して外周部の工事に入ります。設備業者さんが配管工事を行います。
この、とても可愛いショベルカーが大活躍します。これは、私の子供たちも大好きな乗り物です。大きくなったら、運転するのだそうです(^^)
12月7日
外周部の配管工事も終わりました。
こんどは、配管をした上に、勝手口の階段やエコキュートを据え付けるための台などをつくります。
そして、玄関ホールなどと一緒に打設します。
建て主さんも、熱心に見てくださいます。私は、建て主さんの方が塀から落ちなければよいのだがと心配して見ています(^^;)
その後、建て主さんの仮住まいにお伺いして打合せ。終わって現場に戻ったときは、打設も完了していました。あとは、水が引くまでならして終わりです。
12月12日
いよいよ、大工さんが現場入りする日がやってきました。プレカット部材も搬入される日です。運搬のトラックも、恐らくは近所で待機しているはずですので、早めの7時20分頃に到着しました。まずは現場の状況を最終確認してから、トラックを呼び寄せました。
建物と塀の間には、ならした地面の上に防草シートを敷いてあります。整然とした状態です。これからの季節、雨や雪で泥んこにならないように気を配ります。
運転手さんに指図をしながら、積荷を順番に下ろしていきます。その横で、小曽根さんたち大工さんは、基礎に墨出しをする作業が始まっています。
小曽根大工さん(写真右)と、お手伝いいただいている篠原さん。テキパキと作業が進みます。手が早いです。
床断熱工法ですので、基礎パッキンが欠かせません。基礎パッキンは、3種類使います。通期用の普通パッキン、玄関ホール部分には断熱機密パッキン、そしてユニットバスを加工部分には調湿パッキンです。それぞれ役割が違います。
先行足場を施工する業者の山本さんも視察に来てくれました。足場の階段の位置やかけ方の最終確認をしました。また、ネットを貼る場所とタイミングなども重要です。お隣が迫っていますので、養生ネットは欠かせません。しかし、突風に備えるためには事前に張ることも大変危険なので避けなければなりません。結局、建て方の当日に、同時進行でネットをかけることにしました。
あとは、心配なのは天気だけ。どうやら、まずまずといった予報でホッとしています。