日光の床屋さん屋根工事完了
先月末に上棟した日光市内の床屋さん。店舗併用の住宅ですが、日曜日に屋根瓦を葺く工事が完成しました。通常は、建て方工事が終了すると、一日も早く屋根工事に取り掛かるものなのですが、今回は違います。木造躯体の筋交い工事を終わってから、屋根葺き工事を開始しました。もちろん、屋根の形ができたらば、防水工事だけは速やかに行いました。
理由は、以下の画像をご覧いただければ想像できるでしょうか。そうです余震対策です。このように、材料が一時的にとはいえ瓦を置いたた状態になりますので、建物の耐震性能を設計通り100%の状態にしてから載せたのです。しかし、これで絶対とは言えません。万が一の激しい揺れで落下しないという保証はできません。ですので、周囲を防護ネットで完全に囲んでもあるのです。
思えば、既存建物の解体工事が終盤の時に3.11の大地震がきましたので、その日の夕方の薄暗くなりかけの頃に確認のため現場に来たことを思い出しました。幸い、この地域一帯はおおむね地盤が強固であり、被害らしい被害はなかったようです。ただし、近隣で曳家工事中の建物が被災してしまったとのお話も伺っておりました。とにかく工事中というのは、すべてが未完成状態で不安定なわけです。なので、建て方の日が2番目に緊張した日でもありました。職人さんが全員無事に建て方終了となった時は、本当にホッとしたものでした。
瓦葺きが完成した状態です。屋根の棟の部分(てっぺん部分)をご覧ください。1段積みでしっかり固定してあります。だから地震が来ても落下のしようがありません。純和風の瓦ですが、シンプルでスッキリした屋根です。
小曾根大工さん、今日も元気に、しかし黙々と作業に励んでいます。今日も、朝から加工場で化粧木材の加工をしていただき、午後3時過ぎに現場入りしてくれました。