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2011-01-04

外壁通気・床下通気

年が明けて、いよいよ外壁の本格的な施工を待つ現場の様子です。ニュースでは、日本海側を中心に大雪で大変なお正月のようですが、関東地方は比較的に穏やかでしたよね。

全景

外壁を施工する前の状況です。壁が白っぽく映っているのは、透湿防水シートというものです。『透湿防水』というと、なんだか矛盾するようなイメージの言葉ですよね。『湿気は通すのに防水する』というのですから。実はこのシート、外側からの湿気や水分は通すことがないので『防水』なのですが、反対に内側から外側へは『湿気を通す』という、一方通行の性質があるわけです。仮に目に見えない木造躯体内部の湿気が発生しても、合板を経由して湿気を外側(写真でいえば、手前側)に逃がすという訳なのです。逃がすといっても、これから外壁を張ってしまったら、どこへ逃がすというのでしょうか?

外壁通気工法下地

その秘密は、下のズームアップ写真に答えがあるのです。透湿防水シートを貼った後に、たてに木材を打ち付けていますね。この打ち付けた木材は、1.5センチの厚みがあって、木材と木材間は外壁を貼っても隙間(空洞)となる部分ができることになるのですね。その空洞に向かって湿気を逃がしてやる、というのがその答えなのです。ちょっと説明が分かりずらかったかもしれませんが・・・。この事は機会があったら、またご紹介したいと思います。

ところで、基礎のコンクリートがむき出しになっていて、断熱材でおおわれていません。今回は、基礎で断熱する基礎断熱工法ではなく、床で断熱する床断熱工法を行っているのです。基礎蓄熱暖房ではなく、床の上で暖房する方式を採用したからです。こういう場合には、グレー色に映っている『水切り金物』も、特殊な製品を使っています。

水切り金物

水切り金物を下から見上げたところの写真をご覧ください。多くの穴が開いていますよね。ここから空気が流通して、床下の通気を促進し、床下が腐ったり結露したりする事を防ぐように工夫されているものなのです。このばあい、基礎の上に土台を敷くに当たり、通気性のある『基礎パッキン』を採用していることが大前提となりますから注意が必要です。

通気水切り

今回は、話がちょっと難し過ぎたかもしれません。通常は建て主さんに逐一説明しないような内容なのですが、耐久性や性能を維持する上で重要な事の一部をご紹介させていただきました。