2008-04-23
畳敷きの部屋は一段高くしました
写真は、我が家の寝室(畳敷き)です。夫婦揃って、ベッドではなく畳に布団を敷いて寝るのを好みます。
板の間と同じ高さでは面白くない?ので、あえて20センチの段差を作りました。20セントという高さは、室内階段の標準的な高さに近い寸法でもありますね。ちょっと腰掛けるのにも都合が良いです。
従来、日本の家屋においては、畳敷きの和室は板敷きの廊下などと比べて3~4.5センチ高いのが普通でした。近年バリアフリーが叫ばれて、現在は同じ高さに計画されるのが普通になりました。その、「同じ高さで普通」に慣れるまで、私などは時間がかかったものです。段差があるのが当たり前、そういうものだと思って育ったからです。従来、単なる通路から部屋に入るところにある段差には、ホコリとか、格付けとか、いろんな感覚や意義がありましたよね。
歴史的にその由来を考えると、木造構造としての意味があり、伝統的な神社・仏閣などの建物を観察すると、廊下(縁側)と室内とは、地長押(じなげし、と読む。構造材兼意匠材の一種)という部材高さの分(20センチ以上)高かったのです。
近世(安土・桃山時代以降)頃になると、格付けのために床高を変えたりもしました。修学旅行で二条城などに行った方は覚えているかもしれませんが、上段の間・中段の間・下段の間と、格式が高くなるにつ入れて、敷居のところで床の高さを変えていました。
古代(平安時代以前)には「殿上人(てんじょうびと、と読む)」という言葉があって、地面より高い床の上の生活が出来る人は特権階級でした。
話が遠くへ飛んでしまいましたが、手前の洋間より20センチ高い我が家の畳敷きの寝室は、部屋自体がベッドのような感覚もあって気分が良いです。